CKD患者における遠赤外線療法のフォンヴィレブランド因子への影響

By Firapy Club • 29 Nov, 2023

 

2023年で学術雑誌Frontiers in Medicineに、透析患者のバスキュラーアクセス閉塞に関する新しい臨床実験が発表された*1

数年前、台北退役軍人総医院研究チームは、フィラピーの照射がシャントの開存率を有意に向上させることが証明された。フィラピーは抗炎症作用を促進することで、シャントの狭窄を防げるというメカニズムであった。

その研究結果をきっかけに、高雄医学大学医院チームはフィラピーが止血因子への影響を研究し始め、つい去年、血栓形成に関するフォンヴィレブランド因子に新しいメカニズムが発表された。

本臨床研究では、血液透析患者(20名)を対象に、透析中にフィラピーを40分間シャントに施行した。3ヵ月後の血液検査により、フォンヴィレブランド因子の活性が有意に低下した。フィラピーの照射は透析患者のシャントが閉塞する可能性を下げることが示唆された。フィラピーが炎症による狭窄の予防だけでなく、血栓形成による閉塞も防げることで、シャント開存率を改善できることが分かった。フィラピーは透析患者が避けられないシャント問題に最適な解決方法であることも証明された。

 

フォンヴィレブランド因子 (vWF, von Willebrand factor)

  • 止血に必要なタンパク質
  • vWF因子低下の場合:血小板が結合できない→血が止まりにくくなる
  • vWF因子増加の場合:血栓に形成しやすい→血管閉塞しやすくなる



*Reference

  1. Yen CC, Hsu PC, Lin CC, Chen SC, Hsiao CY, Hwang SJ. Effect of far-infrared radiation therapy on von Willebrand factor in patients with chronic kidney disease. Front Med (Lausanne). 2023 Sep 8;10:1268212. doi: 10.3389/fmed.2023.1268212. PMID: 37746066; PMCID: PMC10514495.

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